士業の楽天ビジネス利用と新規顧客獲得のコツ

   
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こんにちは。ネット活用倶楽部の藤田です。

今から5〜6年前、インターネットが企業に利用されるようになったころ、多く
の企業のホームページは会社案内的なものでした。紙で作られた会社概要の内容
をそのままWebサイトにもってきただけのコンテンツ。

その後は、皆さんもご存知のとおり、「集客」の概念がネット利用に組み込まれ
るようになりました。ネットを新規顧客開拓のツールとして、あるいは既存客育
成のための販促媒体として使うことに効果があることが実証されてきています。
ネット活用倶楽部の研究目的もそこに焦点が置かれています。

今回は、楽天ビジネスに出展している会計事務所、税理士事務所の方々に現況を
お尋ねしてみました。楽天ビジネスの出展料は個人事業主が月額6千円、法人は
2万円。会計士、税理士は個人事業主として扱われます。

出展の成果や自サイトとの比較、顧客コミュニケーションから、顧客を獲得する
ヒントを得てみましょう。


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  楽天ビジネス利用の会計士、税理士にその効果を聞く
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 1.輝く5つ星、よい評価が次の顧客を呼ぶ
 2.自分が選ばれるには、特徴を明確に出す
 3.7割がネットから、自己サイトを充実させる
 4.無料相談、メールニュース配信は効果が出にくい
 5.見栄えの悪いホームページのほうが勝つ

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今、会計士、税理士といった士業の事務所の中で、積極的に顧客開拓を実施して
いる人々が着実に成果をあげてきている。けれども全体からみれば、それら事務
所はほんの少数で、全体からみれば活かされていないのが現状。

それでは、ネットで顧客に存在を知ってもらったときに、選んでもらうためのポ
イントはどんなところにあるのだろうか。


■1.自分が選ばれるには、特徴を明確に出す

楽天ビジネス、“経理・労務”のジャンルの“会計処理代行”に、登録されてい
る外注先は現在131件(2003年8月)。ひときわ目立つ告知がある。黄色の5つ星
がチカチカと点滅している。

それが佐藤浩氏が経営する「さとう会計」。そこには“遠隔地専門”と記されて
いる。

▽楽天ビジネス「さとう会計」
http://business.rakuten.co.jp/satozeiri/


比較情報が多いほど、顧客はどこに決めるか迷う。数ある中で選んでもらうには
、「特徴を明確に出す」ことがキーとなる。

さとう会計は、地域は限定しておらず発注者が遠方であっても、郵送、宅急便、
ファックス、メールで資料を送ってもらい経理処理をする。やり取りもスムーズ
に進んでいる。それゆえ、対面でなくてもかまわない客、価格最優先の客がター
ゲットだ。

同事務所は月平均では、毎月2〜3件の受注を受けるという。実際にはそれ以上
の問い合わせがあるけれども、事務所の規模が急激の顧客増に対応できるほど大
きくないため、月3件の受注があれば十分。それ以上を請け負うとサービスの品
質低下を招く恐れがあるので、無理に顧客を増やすことはしていない。

会計事務所におけるネット利用状況について、佐藤浩氏は「政府のe-Japan構想に
おける電子申告への対応が本格化すれば、IT化についてゆけない会計事務所は
淘汰されてゆくことになる」と説明する。顧客とのデータやり取りやメール利用
は会計事務所の中でも、普及しつつある。けれども、業界全体としては未だネッ
トを利用しての業務は、それほど多くはないのだ。

会計事務所業界もネット活用の成長プロセスとして、企業と同じ過程をたどって
いるといえるだろう。事務所のホームページを作成、公開している人もかなり増
えてきてはいる。しかし、そのほとんどが、サービス紹介、事務所所在地等の会
社案内的な内容で終わってしまっているのだ。

ホームページの訪問者にとって役に立つ情報の提供をし、信頼関係を構築してゆ
くことまで視野にいれている会計事務所のホームページはまだ少ない。だからそ
こにネットを利用する価値を見出して、いち早く顧客獲得までの仕組みを取り入
れているところは、先行の利もあり、しっかりと成果をモノにできるといった成
長期にある。


■2.輝く5つ星、よい評価が次の顧客を呼ぶ

宣伝に5つ星を使うだけに、これまでの依頼者からの評価は高い。評価件数は全
部で14件。その中で「期待を大きく上回る」の5つ星評価の件数が9件と、全体
の約65%を占める。

▽さとう会計の評価
http://business.rakuten.co.jp/satozeiri/rating/
[依頼者の評価文は、ていねいにしっかりと書きこまれているものが多く、ほとん
どの顧客に親切、的確、誠実と受け取られていることがわかる]

佐藤氏は、当事務所では楽天ビジネスへの出展効果は高いが、受注できる人とで
きない人とに二極化しているという。全く受注できない人にとっては無駄な出費
になる。

「勝ち組み」と「負け組み」、二つに分かれるのは、楽天ビジネスだけでなくシ
ョッピングモールにおいても同様の状況だ。同業者がひしめく中で、自分自身が
選ばれるにはどうすればよいのか。低価格戦略だけにとどまっていてはいけない
。いくら料金が安くても、評価が悪いところに人は依頼しようと思わないもの。

佐藤氏は、「あえて言うなら、お客様本位の考え方、ニーズの探り方を工夫し、
サービス業に徹すること」と助言する。その成果が5つ星獲得の多さに表れてい
る。たった一人でも悪い印象を持たれて、それが悪い評価としてつけられるとす
ぐに伝わる。それがネットのこわいところ。

悪い評価は絶対に受けないようにすること。すべての顧客に、手抜きをせず、最
高のサービスを提供することが、良い評価となって、次の新規顧客を呼び込んで
くれるのだ。

問い合わせを受けたら、まず「相手がどんな人なのか」、そして「どのようなこ
とを望んでいるのか」をよく考える。そして提案。また、コミュニケーションに
おいて、相手は「自分が話をしたい」方なのか、あるいは「こちらの話を聞きた
い」人なのかを判断する。それによってこちらの対応が異なってくる。

佐藤氏は、このあたりの見極めになると、努力というよりは才能が関係してくる
と語る。個々の洞察力や人の機微に関しては、いっしょうけんめい学習しようと
して容易に会得できるものではないからだ。

ネットを介しても対面であっても、相手の意向をくみ取ろうとすることはどんな
商売でも大切。ネットはコミュニケーションのツールとして存在しているだけ。
ネットの向こう側にいるのは、リアルな意思や感情をもつ人間。いつでも礼儀正
しく、誠実に返答するように心がけることが肝心と助言する。

実はさとう会計は、2年前に開業したばかり。開業当時は斬新なコンセプトで目
立った。今では競争が激化、少しでも手を抜くと、結果にすぐに現れるときびし
い状況。

依頼のある業務は会計処理から税務相談等と多岐にわたる。発注者の企業規模は
、ほとんどが中小企業、大手企業はごくわずか。そして発注者の半分は、新規開
業者であり、残り半分は現在依頼している会計事務所に不満をもっていて、別の
会計事務所を探している人々となっている。

佐藤氏は、この二つのタイプによっても、営業方法を変えている。新規開業者か
、それとも現状に不満をもって探している人なのか。見込み客の望みが何である
かを敏感に察知しようと心がけているのだ。


■3.7割がネットから、自己サイトを充実させる

荻野直也税理士事務所では、楽天ビジネスと自己サイトの両方を公開しているケ
ース。荻野氏も「税理士業界においては、まだまだ顧客開拓の可能性がある」と
動向を読む。実は、同事務所では、顧問先の7割がネットを介しての顧客なのだ
。

しかし、先の佐藤会計士が低価格戦略であるのに対し、荻野氏はその逆の方向を
打ち出している。ネットから発注する人々はコストにシビアな人々もいるため、
「とにかく安い税理士を探している」という問い合せについては、断っている。

▽荻野直也税理士事務所
http://business.rakuten.co.jp/zei/ (楽天ビジネス)
http://member.nifty.ne.jp/ZEI/hyousi.htm (自己サイト)


値段ではなくサービスを基準に選んでもらうためには、税理士の付加価値をアピ
ール。姿勢記帳代行や申告業務だけが、税理士の仕事ではないことを強調してい
る。そのような方針もあり、楽天ビジネスと自己サイトでは、自己サイトのほう
が顧客獲得の効果が高い。
探している側の状況からすれば、楽天ビジネスを利用すれば一度に多数の見積り
をとれて便利。価格重視の依頼者が多い。それゆえ価格で勝負していない事務所
にとっては、楽天ビジネスを介して見積りを出しても仕事をとれる確立が低くな
りがち。

荻野直也税理士事務所では、早くから楽天ビジネスに出展していたため、当初は
かなりの数の注文を受けていた。最近では、事務所の受皿の問題もあり、むやみ
に顧問先を増やさないよう押さえ気味、あまり見積もりを出さないようにしてい
る。

収入の減少に悩む事務所からみればうらやましい限りだが、同事務所では集客に
ついてはすでに十分であり、サービスの質を落とさないためだ。それでも荻野氏
は、「税理士業は、1度顧問契約を結べば固定収入になるので出展する意義はあ
るだろう」という。

サービスのよさを相手に納得してもらうためには、実際に会うことが欠かせない
。荻野氏は、成約へと結ぶためには、会ったときに自分を誇張せず、等身大で話
し合うことを心がけている。仕事をとりたいがために自分を大きくみせようとし
ないほうが、かえってよい結果を生む。

受注する客層では、IT関連の法人が圧倒的に多い。2001年頃までは、ほとんど
が東京に拠点をおく企業であったけれども、2002年からは神奈川県の企業も増え
ているという。対面に価値を置いているため、遠方ではなく実際に会える距離の
近郊の顧客が多い。

経理業務に関してはネット上で完結させる。一方、対面でのコミュニケーション
では、経理以外の話もする。税理士が自らの能力を発揮すべきだとしたら、経理
業務だけでなく顧客の経営や関心のあることについても助言できる立場を確立し
たいもの。幅広い知識、ノウハウをもたなければ、顧客にとって有意義な存在と
なれないからだ。

オンラインでのコミュニケーションにおいても、仕事以外の話題も織り交ぜなが
らメールでやりとりしているという。だから無味乾燥にはならない。注意してい
るのは、お互いが相手のすばやい反応を期待いるため、受け取ったメールは必ず
同日に返信すること。


■4.無料相談、メールニュース配信は効果が出にくい

ネットを駆使している荻野氏であるが、かつて無料相談をしたりメールニュース
を配信していたこともあるという。ところが、これが業務に支障をきたした。無
料相談を行っていると、概して顧客開拓の方法としては成果があがらないばかり
か、他の業務がはかどらなくなってしまうので、気をつけたい。

よく聞く話であるが、ネットで無料相談の依頼を受けても、その相談者が顧客に
なることはほとんどない。無料で親身になってていねいに助言し、感謝のメール
をもらえたとしても、それがお金となって返ってくることはない。相手はネット
上では無料が当然と思っている向きもある。

手間をかけ回答しても対価が得られにくいのだ。自分自身の修行の場として無料
相談をするのはよいけれども、成約へつながるとは考えないほうがよい。また、
顧客になる人は最初からお金を払うつもりで接触してくる。

荻野氏の場合にも、無料相談、メールニュースを廃止しても、その後に業務依頼
の件数が減ったことはなかったというので、もともとそれらの方法は有効ではな
かったと判断している。

メルマガに関しては、以前に私が発行しているメルマガ最前線で、会計士が発行
するメルマガを採り上げたことがある。

▽メルマガ最前線「経済ニュースで学ぶ会計」
http://homepage1.nifty.com/sachiefujita/back/melura45.htm


上記の「経済ニュースで学ぶ会計」の発行者、新井輝洋氏は、セミナーやスクー
ルを開催している。メルマガ読者は、会社経営者というよりも会計について学び
たいという人々が多い。そのためセミナー等の集客手法のひとつとしてメルマガ
が成果をあげているが、会計・税理士事務所が顧客を獲得するための方法として
は、制作の手間を考えると効率面で適しているとはいえないだろう。何でもかん
でもメルマガを発行すればよいというものではないのだ。

荻野氏のようなサービスの質を見込み客に納得してもらう方針をとるとすれば、
楽天ビジネスに出展したりメルマガを発行するよりは、自己サイトを検索エンジ
ンで上位に表示させることに注力したほうが、より大きな成果を得られそうだ。

同事務所は、Googleで「税理士事務所」で検索すると1ページめに表示される。
サイト上では、税理士の活用法、最適役員報酬、IT時代の営業戦略、節税とい
ったコーナーが設置されているが、会社経営者であれば読みたくなるコンテンツ
だ。このような訪問者に役立つ内容からの構成も、検索エンジンの上位表示に貢
献していると思われる。

また著書「小さな会社の節税対策」をサイト上で紹介したり、EXCELで作成された
各種シミュレーションソフトをダウンロードできるようにしている。これらくふ
うをすることで訪問者に連絡してみようかと思わせることができるのだ。ホーム
ページからは、月に5〜10件の業務依頼を受け、そのうち2〜3件が成約してい
る。


<シミュレーションソフトのダウンロード>

◎EXCELで会社の健康診断
 …流動比率、当座比率、固定比率、自己資本比率が試算できる。
  荻野氏の独自の評価も。

◎EXCELで最適役員報酬
 …法人課税所得、役員報酬額を入力すれば、法人税、、所得税、
  健康保険料、厚生年金の負担合計・明細が計算される。 

◎EXCELで源泉税額計算
 …平成11年4月以降の源泉税額が計算できる 。

▽荻野税理士事務所 ダウンロード
http://member.nifty.ne.jp/ZEI/excel.htm


■5.見栄えの悪いホームページのほうが勝つ

荻野氏は、税理士の現在のネット利用状況について次のように説明する。

税理士業界全体としてみれば、IT活用は遅れている分野。ホームページをもつ
事務所はわずか数%だ。IT化が進まない理由として、業界内では「税理士はホ
ームページを立ち上げても集客できない」という“固定観念”ができあがってし
まっていることが挙げられる。

しかし、自分で苦労して作ったホームページならそれなりの反応を得ることがで
きる。見栄えを気にしてホームページの制作を外注するよりも、むしろデザイン
的に洗練されていないホームページのほうが、税理士事務所のものでは集客効果
が高いと指摘する。

言い換えれば、手作り感覚のホームページのほうが、訪問者への訴求効果を得や
すいということ。この傾向は、税理士事務所に限ったことではなく、特に中小企
業経営者を顧客とする各種コンサルタント、オリジナリティの高い商品のネット
販売にも、同様の現象がみられる。

ネットでは集客できない、価格を叩かれ収益が上がらないと多くが思っている業
界では、逆に今がチャンス。自分で創意工夫をする努力が実りやすい。あえて美
しいデザインをやめ、素人っぽさをただよわせたほうが心理的距離を縮めてくれ
る。

それでも、検索エンジン対策等の集客ノウハウとなると、これから激戦になって
くることを考慮すれば、無知ではいられない。税理士事務所であっても、ある程
度の知識も必要になってくるだろう。集客のコツはプロ並みに、表面上は親近感
がわくホームメイドの味を出す作戦が、効果を最大化させるようだ。

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