成功オンラインショップがかかえる課題と取組み

   
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こんにちは。ネット活用倶楽部の藤田です。

売上の大きいオンラインショップは「勝ち組」と称され、ネット界で名を馳せま
すが、事業規模が大きくなるにつれ、それにともなって運営から生じるリスクも
高まるのは、アナログ世界と同じです。

有名企業であっても、収支のバランスを崩せば赤字転落します。ネット世界にお
いても運良く成長路線に乗れたとしても、利益を出し事業継続してゆくための悩
みはつきません。

今、月商1,000万円以上を売り上げる3つのオンラインショップ運営者の方々に、
現在の課題をおうかがいしました。


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  成功オンラインショップが抱える課題と、それへの取り組み方
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 1.伸びるのも早いが、落ちるのも早い
 2.メーカーでありながら、副業でなく本業のネット販売
 3.顧客育成の仕組みへの投資
 4.4つの課題、接客業を高いレベルで

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物の販売では、特に在庫リスクの問題が大きい。売上が多くても不良在庫を抱え
れば、体力のない中小の組織では、すぐに資金繰りが悪化、経営を圧迫する。

ネット販売で「売上があっても儲かっていない」としたら病状は共通している。
以下の事業形態からすべてはずれていることがほとんどであるので、事業の根本
から見直す必要があるだろう。

<在庫リスクを抱えない事業形態>

1.自社が商品の供給元(メーカー)である
2.粗利が大きい(一般的な通販の鉄則では商品原価は売値の3割)
3.在庫はもたず、受注したらメーカーから顧客に直送


今回、お話をうかがったオンラインショップは、いずれも上記の形態に当てはま
る事業モデルとなっているけれども、それでもさまざまな課題と向き合っている
。


■1.伸びるのも早いが、落ちるのも早い

通常の運営で売上が伸びるのは、ショップからのメルマガ配信日やその翌日とい
われ、2〜3日間に集中する。

キムチのオンラインショップ「やがちゃんキムチ」では、メルマガ“キムチニュ
ース”を週2回配信。運営を担当する矢ヶ崎清美氏は、メルマガからの売上予測
について、「予測するコツなどはなく、ほとんど“勘”に頼っている」と現状を
いう。

▽やがちゃんキムチ
http://store.yahoo.co.jp/kimuchi/index.html (ヤフーショッピング)
http://www.rakuten.co.jp/kimuchi/ (楽天)


勘というもの、人には伝授しがたいノウハウと感じるが、これは自分がこれまで
試行錯誤しながら場数をこなして獲得した経験値のようなもの。すでに自分の血
肉になっている。「勘=経験から血肉となった推定値」といえるだろう。

もちろん、勘だから予想がはずれることもある。しかし、この勘を養えば、メル
マガに次回、このように紹介すれば、今の配信部数からすればこれくらい売れる
だろうとふみ、受注件数の確度が向上する。

このような勘は、運営期間の長い先行のオンラインショップがもつ利ともいえる
が、現実はそんなに甘くない。

矢ヶ崎氏は、売上について、「伸びるのも早いけれども、落ちるのも早い」とオ
ンラインショップ特有の課題を説明する。現在の同店の月商は約1,000万円だが、
ひと時も気を抜けない状況。売れる商品は、競合サイトでもすぐに扱うし、比較
されやすい。

また、オンラインショップのライバルは、同業のオンラインショップだけではな
い。顧客が住む地域に展開されている実店舗は、見えない敵でもある。常に顧客
をショップにつなぎとめておくためには、たゆまず新商品開発をし、販促方法を
考えなくてはならない。

ヤフーの7月初めに発表された月額2万円の低料金テナント応募について、その
影響を尋ねてみた。矢ヶ崎氏は、「ヤフーの戦略がよく理解できないので、現在
は何ともいえない。個人的には、失敗するんじゃないかと思う」と、先を見る。

これまで出店への「敷居が高い」といわれてきたヤフーショッピング、店舗の質
の高さが楽天との差別化にもなっていて、出店することがステータスでもあった
。今回の低料金出店の応募は、テナント収益拡大のためとはいえ、既存のセレク
トショップにとっては従来のコンセプトとは相容れず、不可解な思いがぬぐえな
いだろう。


■2.メーカーでありながら、副業でなく本業のネット販売

2つのショッピングモールにおいて、客層や購入単価、売れ筋など、やはり違い
がみられる。同店では、楽天で企画物が好く売れる。オークション、共同購入、
バーゲン品など。それに対して、ヤフーでは、月1回のバーゲンデーの企画もの
を除けば、普段は通常の品揃え品が動く。

購入単価はほぼ同じだが、男女比では、楽天が女性60%と半分以上を占める。ヤ
フーでの男女比はその逆の割合になる。そしてオークションサイトのビッダーズ
での客層は、楽天によく似ているが、顧客のイメージとしてはあまりすれていな
いといった感じだという。

モールごとの売上比率は、楽天:70%、ヤフー:15%、ビッダーズ:15%。企画
ものがよく売れる楽天が売上の大半を占めるが、現在のヤフーのセレクトショッ
プとしての位置づけは、通常の品揃え品の回転率を高め、手間や利益率を比較し
た場合のメリットは大きい。

売上の大きいオンラインショップでは、受注、発送等の後方業務の体制も運営の
重要な要素だ。現在、受注処理は2名が専属で、これに内職的な事務員2名配置
、発送は2名。サイトを制作する社長を加えれば、6〜8名が常時動いている。

月商を人員数7人で割れば、以下のようになる。

1,000万円÷7人=143万円

一人当たりの月間売上額は143万円。同社は小売のみでなく、100%自社製造のメ
ーカー直売であることが大きな強み。薄利多売戦略になりがちなネットでの販売
で利幅がとれる。

メーカーでありながら、ネット販売を副業ではなく本業と捉えているから(一般
的にメーカーは、卸業者との関係や小売に慣れていないせいもあり、消費者相手
のネットでの小売には、本腰をいれていないケースが多い)、同業のきむちのオ
ンラインショップにとっては、目がはなせない脅威だ。

総じて、メーカーが顧客と直接結ばれる利点は、販売データがとれることにある
。中間に業者が入るとこうはいかない。どんな商品がどんな顧客に売れるのか、
これらの販売情報を収集することは売れ筋を見るだけでなく、商品開発において
も有益な情報となり、優れた商品を生み出す源泉ともなるのだ。


■3.顧客育成の仕組みへの投資

実店舗はもたずオンライン専業で、リサイクルトナーカートリッジを販売してい
るエコタクドットコムでは、1999年にサイトを開設。現在、本店、楽天、ヤフー
オークションストアの3つに店舗を運営している。

▽エコタクドットコム
http://ecotaku.com/ (本店)
http://www.rakuten.co.jp/ecotaku/ (楽天)
http://auctions.yahoo.co.jp/jp/booth/ecotaku (ヤフーオークション)


同店では、売上の8割が本店からのもの(楽天が月間200万円、ヤフーオークショ
ンストアが月間数十万円)。本店に誘導する検索エンジン対策も現在のところう
まくいっている(Googleでは「トナー」で検索すると、1〜2位に表示されるし
、アドワーズ広告には月間予算を10万円とっている)。

今年2003年になって同店は、月商が1,000万円を超えるようになった。社員数は現
在4人。

商品であるトナーは、そのほとんどがメーカーからの直送であるため、通常の小
売店が抱えるような在庫に関する悩みはない。それでも同社代表取締役の越智修
次氏は、売上が大きくなることで発生する課題、システムにかかるコストや人手
について次のように話してくれた。

売上比率の高い本店では、顧客ロイヤリティも高い。顧客育成の仕組みとして、
ポイント制度を採用しているのだ。現在のポイント会員は1700名。

<エコタクポイントシステム>
1回の購入金額が合計3,000円以上の場合に、商品代金の5%をキャッシュバック
。1ポイント=1円として次回購入時から貯まったポイントを使える。


ポイント制度はそれほど珍しいシステムではなく、顧客にとっての経済的なメリ
ット。顧客ロイヤリティが高い理由はまだある。これはポイント制度と異なり、
IT化できないサービスだ。実は、注文したトナーが届くと、いっしょに「おま
け」が同梱されている。おまけは、ノート類などの文具類。

さらに、メッセージカードがつけられる。これは、社員が心をこめて手書きで書
いたもの。注文ひとつひとつにつけるわけだから、人手のかかる作業だ。

おまけを物質的なプラスアルファとすれば、メッセージカードは顧客へ精神的な
プラスアルファとして作用する。

トナーは必需品ではあるけれども、食品やファッション関連とは異なり、届いた
ときの期待感や喜びなどとは、通常は無縁の商品。だから手間のかかる作業でも
、それを実施することが差別化につながる。

リピート性の高いトナーは、価格競争に陥りがち。このような商品を扱いながら
も、がっちりと顧客の心をつかむ方法を取り入れることで、「次もここで注文し
よう」と思ってもらえる。届いたものをあける楽しみを創出しているのだ。プリ
ンター所有者であれば、トナーをきらすことはないから、長いお付き合いをした
いもの。

同社のような事業モデルは競争も激しいが、以下のポイントから、軌道にのれば
、ネット販売としては非常に理想的な事業モデルといえるだろう。

1.商材のリピート性
2.在庫は自社で持たずメーカーから直送
3.商品単価が比較的高額


今後は、本店でオークションやアフィリエイトプログラムを展開する計画。これ
らシステムの開発は外注することになるが、各種の仕組みを充実させるための投
資は、途切れることなく発生する。次の成長へとステップを昇る段階で、ここを
乗り切ると大きな飛躍があると、越智氏は意欲的だ。


■4.4つの課題、接客業を高いレベルで

カニ市場「北国からの贈り物」は、月商2000〜3000万円に達する。モールごとの
売上比率は、本店:1割、ヤフーショッピング:2割、楽天:6割、その他:1割と
いった具合。

▽カニ市場「北国からの贈り物」
http://kegani.jp/ (本店)
http://store.yahoo.co.jp/snowland/index.html (ヤフーショッピング)
http://www.rakuten.ne.jp/gold/snowland/index.html (楽天)


楽天では企画ものがよく売れるという先のやがちゃんキムチと同様、店主の加藤
氏によれば、楽天は、「ショッピング イズ エンターテイメント」という感覚
だ。純粋にネットショッピングを楽しむユーザー、ヘビーユーザー、初心者、オ
ークションマニア、共同購入マニア、プレゼントマニアといった買い物という行
為を楽しむ人々があふれている。

方や、ヤフーでは検索からの訪問者が多く、季節の企画に強い。母の日や父の日
、お中元、お歳暮といったギフトのシーズンには受注が伸びる。また、法人需要
が多いのも特徴。男性客、高額商品、まとめ買いという傾向がみられるという。

後方業務の人員体制は、受注スタッフ2名、ウエッブスタッフ2〜3名、発送のアル
バイト3〜5名で対応している。本店、楽天、ヤフー、その他と複数サイトを運営
するため、ウエッブスを担当するスタッフ数も2〜3名と重点をおいている。

同社は、もともと卸売業が本業(カニは毎日3-5トン入荷、それを北海道内のホテ
ルやドライブインに卸している)であるため、倉庫は北海道内に数カ所確保して
いる。

メルマガ配信後は売上げが伸びるが、予測は不可能と説明する。意外に売れると
思ったメルマガで売れずに、何気なしに配信したメルマガが当たることもあると
いう。

ただし、売上げは、間違いなくメルマガ配信数に比例するため、読者数を増やす
ために内容や表現について修行中と話す。

読者獲得のためには、積極的にプレゼント企画を実施。カニのような広く人に好
まれる商材であれば、プレゼント企画により多くの応募者を集める方法を利用し
ない手はない。

売上の大きいショップとしての悩みや課題は、大きく分けると以下の4つ。

1.受注業務・発送業務の効率化
2.スタッフの教育
3.新商品の開発
4.運転資金の確保


1の受注・発送の業務を除けば、売上が伸びるほど、オンライン販売においても
、一般的に実店舗が抱える課題と類似してくる。

人(2)、モノ(3)、金(4)、どれも企業の成長に必要な経営資源に関わる
課題であることがわかる。それらを上手に使えば、将来に向けてビジネスの基盤
をより確固たるものにする。

人が増えれば人材教育が欠かせない。伸びる企業ほど社員教育に力をいれている
。基本はアナログ世界と同じ、加藤氏は「接客業をいかに高いレベルで維持でき
るか」を重視する。

ここを怠ると成長はとまるだけでなく、じり貧街道をたどることになる。

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